はじめまして。
ここはKAGURAサウンドデザイナーが非公式にあれこれ書くサイトです。
前置きを長々話してもアレなので、早速。
KAGURAで音作りをする場合、2つの方法があります。
- KAGURA単体でサンプラーのように使う
- Ableton LiveのようなDAWと連携してMIDIコントローラのように使う
今回はKAGURA単体でサンプラーのように使う場合のTipsです。
問題点
KAGURAの至らない点ではあるのですが、大きな問題点に、
素材の切り出しが面倒くさい
という点があります。
1曲作るのにこれくらいwav素材を書き出します。書き出し作業で数時間かかっておりました。修正書き出しなんてやってられない。
はじめの頃は私自身ひーひー言いながらひたすら単純作業をしていたのですが、Cubaseが9になった際、”サイクルマーカーの一括書き出し”機能が追加されました。これで作業量が激減。その書き出し手順もだんだんと効率化させてきたのでご紹介します。
手順
データ準備
まず使いたい素材を配置します。MIDIでもオーディオでもOKです。
今回はドラムにしました。キック、スネア、ハイハット、シンバルを配置します。
個別に書き出すので、リリース音が次の音に被らないように注意します。シンバルなんか特に注意です。思いっきり間隔を空けておけば無難かもしれません。
書き出し範囲管理
次に書き出したい範囲を決める為のダミーのMIDIトラックを作ります。
これが割と便利。後ほどの作業の為、書き出す範囲毎にこの枠…イベント?ですかね?を切っておく必要があるのです。
実イベントを切ればいいのですが(特に今回のように1トラックであれば問題ない)、複数トラックになってくると、書き出し範囲を1箇所にまとめておくのは便利です。
サイクルマーカーの設定
次にマーカートラックを作成し、サイクルマーカーを作成します。
先程の空MIDIイベントを1つずつ選択し、Pキーでループ範囲が決まり、マーカートラックの”サイクルマーカーを追加ボタン”を押せばサイクルマーカーの完成です。
数が少なければこの作業でもいいのですが、50個100個となってくるとこれすらも面倒くさいです。ですのでマクロを組みます。
マクロの作成
キーボードショートカットのページを開き、マクロを表示します。
そこに
- トランスポート – 左右ロケーターを選択範囲に設定
- トランスポート – サイクル
- トランスポート – サイクルマーカーを挿入
- ナビゲート – Right
の順番でマクロを組み、ショートカットキーを設定します。私の場合はAlt+Qにしてます。特に理由はないですが、他に使われていないのと左手だけで操作しやすいのでこれにしました。
マクロの使用
使い方は、
- 最初の書き出し範囲のイベントを選択
- Alt+Qを連打!
です。これで選択イベントにロケータ設定(Pキーと同様の動作)→サイクルマーカーが指定される→次のイベントに移動。と1キーで行われます。
ここが前に行った空のMIDIトラックで書き出し範囲を設定していた理由です。
書き出しファイル名の設定
ファイルを書き出した後にリネームしてもいいのですが、例えばWindowsのエクスプローラでのリネームは効率が悪いです。ただし、ここで説明する方法もそこまで効率のいい方法ではないので、リネームソフトをお使いの方などはそちらを使われるとよいかと思います。
マーカートラックのeボタンを押して一覧を出します。
ここの”内容”に書き出したいファイル名を書いていきます。
私の場合は01などの数値もここに書きます。ブロック用音素材はどうしても8個とかになってしまうので。ただし、この数値入れはとても面倒くさいです。文字はコピーでだだだと入れちゃいます。
書き出し
書き出しで重要なのはまず
サイクルマーカーの書き出し
にチェックし、書き出したいファイルにチェック。
※複数選択での一括チェックもできます。
次に
名前の設定パターン
“名前”は通常時書き出す時に打つ文字です。”サイクルマーカー名”は(中略されてますが)先程サイクルマーカーの”内容”に書いた文字になります。
私は名前に”ICON”や”BGM”と付け、区切り用文字に_(アンダーバースペースなし)、でサイクルマーカー、としてます。
“サイクルマーカーID”はマーカーIDを付けてくれるので大変便利なのですが、1桁が01や001でなく1になってしまうのであまり使っていません。ファイルの並びが1,10,11,12…18,19,2,20とかになっちゃうんですよね
マーカーIDを10からや100から使うといいかもしれません。(今思いついた。次からそうしようかな…)
またカウントは下の桁数で01や001にもできますが、追加修正&再書き出しした際に数値が変わってしまうこともあります。修正が楽なのもこのやり方の利点なので、こういうミスを誘うやり方はすこし不安です。
書き出し
これで最後に書き出しをすれば完了です!
なおBGMの書き出しの場合、”テンポ情報を挿入“にチェックを入れておくと便利です。KAGURAのループに配置する際、KAGURAが自動でこの値を読み取ってBPMに反映させてくれます。
またKAGURAのサウンドライブラリ内にフォルダを登録しておけば、ここの情報はリアルタイムに反映されるので、修正書き出しなどした場合に自動で最新に置き換わっていきます。もちろん新しい素材の追加もされます。
アイコンに配置済みの素材は変化しないので安心&注意してください。
おわりに
サイクルマーカーのショートカット、自力で思いついた方法だったのですが、ネットを見ていたらまったく同じショートカットを作成されている方がいらっしゃいました。
サイクルマーカーの複数書き出しはKAGURAだけでなく、効果音の制作などにも重宝するかと思います。というか99%そちらでしょうね…
おすすめです。
他DAWでの複数書き出しも気になるところです。