先日ワーナーからデビューされたロイ-RöE-さんのワンマンライブでKAGURAが使われました。
その仕込みをあれこれしていたのですが、リアルタイムに次々とシーンを変える必要がありました。
そこで導入したのがNative InstrumentsのMASCHINE MIKRO MKⅡです。
MASCHINE自体は代表のシュンスケのもので、KAGURAで使えないかということで預かっていたのですが、1年くらいかな?経ってようやく使う日がやってきました。
実際にテストしている様子
KAGURAのタイムラインモードでは、タイムラインにジャンプすることができるトリガー機能があります。これにMASCHINEのMIDIモードで送るCC信号を学習させシーンのチェンジを実現させています。
ただしシーンの切り替えには制限があります。それは”現在のシーンが終わった後のジャンプ先を指定することしかできない”です。なので、1シーンは極力短く、BPM200の1小節1拍に設定しています。それと各シーンは無限ループに設定しています。
最大に拡大してもシーン名が見えない…要望出さないとなあ
これでコンマ何秒で切り替えが可能になります。
KAGURAのトリガー機能はキーボード入力でも可能です。
ぶっちゃけキーボードの方が準備は楽です。遠隔操作もUSB延長にUSBキーボードだけで済むし、ワイヤレスも可能だし、なによりトラブル時にドライバの入れ直しとかしなくても普遍的に使える。
MASCHINEはMIDIパッドとしての存在の中でも特にドライバや専用ソフト(要アカウント)などが必要で融通が効きません。ではなぜわざわざMASCHINEを使ったかというと、1つは他に良いパッドを持っていなかったのと、
- 視覚的に分かりやすい
- カスタマイズ性
- 安全
という点です。
まずキーボード操作はとにかく本番大変です。
キーとシーンの関係性を極力暗記して、あとはメモを見ながら操作します。
これがMASCHINEならパッドに指定の色を光らせることができるし、曲ごとのページ分けも容易です。またページの名前もつけてLED画面に表示できるので、曲名を入れておけばとても安心。
↑ピエロ・シティのセット。
また今回は特に背景に単色塗りつぶしを使ったので、その背景色に近い色をパッドにセットしておけば直感的にわかりました。
どうしても曲中は1から順に押せばいいとはいかないもので、2番で再び戻ってCメロは新しいシーンを~などあるので、飛ぶと次がとっさに分からなくなってしまいます。冷静だとできるんだけどライブだと失敗できないという緊張感でテンパります。そんなとき参考資料の色と同じボタンを押せばOK。これがかなりありがたかったです。
以上が視覚的な分かりやすさ&カスタマイズ性でした。
あとは安全性。MASCHINEに存在しているボタン、どれを押してもまずクラッシュしませんし変な機能は出ません。キーボードだとEscキーは左上に構えてるわウインドウズキーはあるはファンクションキーは何が出るか分からないわ…
もちろん押さないんですが、存在が緊張感を高めてしまうのです。
「ここでハンドル右に切ったら追突して死ぬな」みたいな状態です。
ライブのオペは極限まで簡略化、直感化させるのがコツです。ただキーボードを選択する事とはバックアップ体制との一長一短ではありますが。
まあ今回使用実績ができたのと、アーティストが自分でシーン切り替えをする、という可能性もパッド操作ならアリかな、と思えたのと、アーティストでなくても安全に切り替えできるデバイスとして使えるのでは、というところも気づけたので良かったと思います。